パソコンのふるさと 台湾   2002年8月6日

 現在パソコンのマザーボード、ノートパソコンなどはほとんどが台湾製である。
あるいは台湾に本社を置きながら、実際の製造は中国本土でおこなわれている。
純日本製、または米国製の製品は入手が困難である。なぜなら安くて、品質も
悪くないからである。日本はたてまえとして2つの中国を認めてないので、台湾とは
正式な国交がない。台湾の政治家が日本にやってきたときも、中国本土はこれを
認めないと大騒ぎしていたのは、数年前のことである。たしか、日本の総理と握手
しての2ショット写真はなかったと思う。

 現在川口外務大臣は北朝鮮との国交正常化にむけて、話し合いを進めていく
よう、頑張っているようだが、パソコンのふるさと台湾に対しても正規のの国交を
開始してもらいたいものである。さて、このような状態ではあるが、実際、旅行
貿易に関しては、全く障壁はなく、民間では自由に商売できる。商売は米ドル
で決済する。交渉は基本的に英語なので日本からすれば商売しやすい。
 とくに、国の許可を発行してもらうとかは不要、全くの自由貿易である。

 台湾パソコン産業界からすれば、米国とともに、日本はVIPなお客様である。
国民性も親日的で、滞在中に不愉快な思いをしたことはない。
 毎年6月第1週には台北でCOMPUTEXというアジア最大のトレードショーが
行われる。各ブースの担当者は実に積極的にアプローチしてくる。ここでの
気迫は相変わらずであった。

 さて台湾の町並みであるが、約5年位前にも行ったときより少々元気がなく
なってるようにみえた。タクシーの運転手ももう5−6年ずっと景気が悪いと
言っていた。つまり、米国が不景気だと日本も悪くなるの図式で、日本が不景気
だと台湾が風邪を引くのであろう。とはいっても現在の日本人よりはずっと
気迫があり、何か夢をめざしギラギラしているようなのが、いっぱいいる。
 観光名所にもなっている夜市に行ってみたまえ、「こいつ、どうかしてるぜ!」
と思えるほど、若い衆がマイク片手にクラブDJよろしくノンストップでがなり立てる。
はげしい、売り込み、客引きである。ここにいるだけで自分も元気をもらえるようだ。

 話はとりとめもないが、台湾の食事はちょっとクセがある。前回行ったときに、
どうも味になじめず、それから少々足が遠のいたのも事実である。台湾旅行経験者
で食事になじめず、楽しめなかったという人もある程度いるのだろう。旅行雑誌には
そういうことはあまり書かないが、「ここの食事は日本人向きなので・・」という表現が
あれば、(食える)と判断していいだろう。

 通常こういわれている 「漢方薬みたいな臭いがする」、「町中がこの臭いがする」
「なに食べてもこの味がする」、ひどい人になると「雑巾を絞った臭いがする」とも
言われる。たまたまこれを少々食したらいいのだがなんでもかんでもこの味だから
ついにイヤ気がさして大嫌いになってしまうのである。

 具体的にこの臭いがかぎたかったら、台北市内のセブンイレブンに入ればすぐに
わかる。炊飯器のような電気釜で茶色のスープの中で卵をゆでている。これは
なにか分からないが、ずばりこの臭いである。そして肉料理によく使われるので
あるが、臭みを消すために日本で「八角」と呼ばれている香辛料をたっぷり使っている。
 これも日本人苦手だと思う。ちょっと甘い香りであるがクセがある。日本でも豚の
角煮に使われることが多い。この経験から、日本に戻ってきてからでも角煮を食べ
るのに2の足を踏むことがある。台湾の人々にはわれわれ日本人がウナギ屋さん
の臭いがいい匂いに感じるのと同じく、八角や漢方薬臭がいいのかもしれない。

 このことから台湾でどの店で食事をとるかは、賭けのようである。小生は店の
入り口で店内の臭いをかぎ、この臭いがしたらパスと決めていた。
圓山大飯店(グランドホテル)は絵に描いたような中国そのものの巨大建物で
ある。この中の店はよかった。ホテルの人も「ここの食事は日本人向き」といっていた。
 小さいころから培われていった食文化は、やはり日本人は日本の和食がおいしい
のかもしれない。