うーむ、埼玉の温泉とは  2002年8月9日

 温泉は好きですか? 群馬の草津温泉はまさに日本を代表する温泉街だが
埼玉でも温泉は出る。最近では都内はもちろんのこと関東平野でもあちこちで
天然温泉が出ている。久喜近くの東鷲宮の百観音温泉は湯量、温度とも優れ
ており今年になって完成した新築施設は休日はたいへんにぎわっている。
 いわゆる日帰り温泉であり、宿泊施設はない。男女別の大浴場があり、各
浴場には露天風呂を含め数種類の浴槽がある。また、家族風呂的な個室貸し
切り風呂も数個ある。2階にあるが、廊下をはさんで湯上がりの人が一休み
できる大広間がありステテコ姿のお年寄りやら子供たちが走り回っている状態
なので、個室貸し切りと聞いて、ロマンチックムードを期待したら大間違いである。

 さて、温泉の定義とは、温度、または硬度(成分含有量)がある一定以上あれば
いいらしいのだが、ここの温泉はやや茶褐色で塩味がする。つまりもとは海水で
いわゆる化石海水と呼ばれているものらしい。湧水量の多さは閉じこめられた
天然ガスの圧力が強力だったといえる。逆にいえば、元々海だった関東平野
はどこでも深く掘れば温泉がでると考えてもいいかもしれない。県内でも春日部
吉川、都内では新小岩など、まさにどこでも出るように思える。温度は単に地球
の中心部に近くなるに従って元々熱くなっているのである。

 一方最初に述べた草津温泉は原理がだいぶ異なる、こちらはまず火山的地層で
いわゆる溶岩によって加熱されている、水は地表、または川から浸み込んだものが
地下水となりそれが溶岩に触れて圧力を持ち地表に噴き出してきたものと考えられる。
このときに硫化水素系の物質を混入させいわゆる硫黄の臭いのする湯となる。
 これは殺菌性がある。昔から湯治場としても実績がある。

 この硫黄系の温泉と化石海水の温泉は同じものとは言い難いが化石海水でも
塩分があるので、いわゆる暖まる効果はある。

 確かに定義からすれば温泉には違いないが「うーむ」なのである。