2003年5月5日 アニメとマンガ

 4月7日は鉄腕アトムの誕生日である。フジテレビでも新バージョンのアニメがスタートした。CGを駆使した、緻密な画像はまさに日本アニメのお家芸で世界的に誇れる技術、いや芸術である。宮崎監督作品を例にあげてもいいが、外国の作品に比べ、画像に関しては最近の日本製作品は圧倒的に抜きん出ている。ある意味、職人さんの細かい作業とCGの作業のいわゆる労働集約型作品である。最近では韓国が国をあげて予算をぶち込み知らぬ間に大きな輸出産業として育てあげている。日本もうかうかしていられない。

 産業として見た場合、世界戦略製品としては抜群である。そんなことは今に始まったことではなく、だいぶ以前から日本製アニメは世界を席巻している。すなわち、アニメをとおして日本文化を世界に配信しているといっても過言ではない。さらに最近では、ビデオゲーム作品を通じても配信していることになる。日本のアニメをみて育った外国人も沢山おり、米国人の若手プロレスラーが倒した相手に向かって「オマエハ モウ シンデイル」と日本語で叫んだのには小生もびっくりした。小生の記憶が正しければ北斗の拳で「おまえはすでに死んでいる」だと思うが、この極めゼリフがでないと、相手は死んでることが理解できずに動いていたようで、この不可思議さは外国人にも実に印象的であったのに違いない。

 アニメの絵柄は独特である。まず、いわゆる2次元的な平面である。さらに明るく、楽しげな色合い、目が大きく星が輝いている。当時フランス人が買いあさった浮世絵にあい通ずるところがある。たぶん外国の人からみると大いにエキゾチックなのであろう。
 これを、リアルにいわゆる普通の大きさの目と写真のように立体的な陰影をつけたり、実写的背景にしてしまってはいけないのである。米国作品に3D化したアニメもあるが、どうも日本人には受け入れにくい。

 また、ストーリーも作品数が多いだけに様々である。子供向きから、大人向き、さらにはオタク向きのマニアチックな作品と多種多様である。小生を含めて50代以下のいやほとんどの日本人は漫画とアニメをみて育ったといっても過言ではないだろう。鉄腕アトムを見て、科学と宇宙に夢を抱き、巨人の星、明日のジョーをみて、ストイックにがんばることを知り、なにわ金融道で お金にまつわる裏側を勉強した。まだまだ、色々な作品がありそれぞれに人格形成に関係しているはずだ。

 日本のアニメやマンガが世界に平和、勇気、希望、そして日本人の優しさを伝えていく、文化の伝道師であることを願ってやまない。さらには、世界の人々が日本ひいきになって、日本製品を買い、日本に旅行していただくとなおうれしいのである。