2005年7月7日 恋のプロフェッサー(1)


 7月7日は七夕です。1年に一度、織姫と彦星が天の川で再会するとのことである。

 この件に関し、科学少年だった小生は、ずいぶんの年になるまで、これを各々の星が天の川を横切って近づいてくる天文現象だと思っていた。
 だから、毎年この日の天気が気になっていたものの、幸か不幸か梅雨の時期にあたり見事に晴れ上がった夜空に出会わなかった。まして、晴れたとしても、埼玉あたりでは大気の汚れで、天の川がこの時期に見られることはない。

 たまに晴れた七夕の夜空を一生懸命眺めたものの、天の川はよく分からず、ましてやどれが織姫と彦星なのかもわからない。かわいい少年でしたね。

 ある程度の年になってからでも、理系の男に恋の駆け引きなんか、分かるわけがない。
 だいたい恋愛ドラマなんか見てないが、たまにドラマを見ても、結論はこうなんだから、さっさと決めてしまえばいいのにと考える。科学的に数学的に解答を導く。

 好きなのに意地をはって嫌いなふり、すぐそばに、手の届く場所にいるのにすれ違い。イライラして、胸をかきむしりたくなる。

 シンデレラが、舞踏会に着ていくドレスがない悲しみを男の子はまず理解できない。「別に、服なんてなに着てもいいんじゃないの。」、鼻水を袖でふいてカピカピになった服を着てる少年には、女の子がドレスの有無でどんなに悩んでいるのか分からない。

 たとえて言えば、野球好きの少年が、草野球に集まるときに、皆グラブ・バットを持ってくるのに自分だけ家が貧しくて、買ってもらえず、かといって生意気なお金持ちの子供に貸してくれと頭を下げるのもいやで、広場に行けない気持ちといえば、なんとなく理解できるだろう。

 ある程度人生経験を経ることで、分かってくることがあるとは、こういうことなのだろう。

 次回は理系男が解析する女性の心編でも書きましょうか。