下半身の話

 以前、台湾にコンピュータトレードショウに行ったことを書いたと思うが、あれから10年以上
経ったので、こんなことを書いてもいいかなとペンをとった。

 展示会で沢山のカタログ資料を両手に下げてホテルに帰った。食事も終わり、風呂に入り
一日の疲れを癒した。湯上りのさっぱり気分で椅子に腰かけ、資料に目を通していると、ドアを
ノックする音がする。「はて?」と思い。ドアを開けるとホテルのボーイが立っていた。
なにか申し訳なさそうなモジモジした様子で流暢とはいえない日本語で話し始めた。
「あの、僕の知人でアルバイトしている人がいるんです。安くて、いくらでもいいのでお願い
できませんか?」最初何のことを言ってるのか分からなかったが やり取りしているうちに
つまり旅の疲れを癒してくれる女性を紹介したいということが、すぐに分かった。
 当時小生は結婚して1年たつか経たないかの時、左手の指輪を見せて、「僕は結婚してるので、
そういうことはNo thank youです。奥さん居るし。」と答えた。

 その時のボーイの応対が面白い。「奥さん、ニッポン、だからダイジョウブ。」さすがに笑える。
「いやいや、とにかくNo thank you」ということでお引き取りいただいた。

 ボーイは残念そうに帰って行った。高級なホテルではないが、かといって怪しげなホテルでもない。
 こういうこともあるもんかと思った。今言ったら叱られるが昔は台湾は男性天国で台湾旅行は
ウラでは「女郎買いツアー」と不名誉な呼ばれ方をしていた。もちろん今ではこの汚名はすでになく
女性も楽しめる人気国なっている。

 男の喜びそうな申し出をお断りした理由はいくつかある。まず、見知らぬ外国で、変なトラブルに
発展し金品を失ってしまわないか、分けのわからぬ病気に感染してしまわないだろうか。というのが
主な理由だ。もうひとつ以前お袋から聞いた話がある。こんな話だ。

 地元の中小企業の社長が、仕事の関係で韓国の会社に視察に行った。現地法人で歓待を受け楽しく
会食など、その後その社長さんに旅の疲れを癒してくれる女性を紹介したとのこと。ところが当時の
田舎中小企業のスケベオヤジならすぐに食いついてしまうところだが、この社長は偉いのかきっぱり
断ったというのだ。そうしたら○○社長は本当に紳士だということで逆に評判になり、仕事もうまく
いったとのことだった。そこで食いついていたら「あいつは女で簡単に操れる。」と思われたこと
だろう。

 まあ、そんな話を小生聞いていたものだから、君子危うきに近寄らずということだ。

 マスコミや政治家でやたら中韓の肩を持つ発言をしている人たちがいるが、なーんか食わされちゃっ
たんじゃないの?