最近のマンガ 「チ。―地球の運動について」 
         魚豊 作

 この物語は15世紀あたりを舞台として
P国の宗教 C教の教えに反して、天文
研究によって導かれた地動説を唱えよ
うとする真理追及者とあくまでもそれを
異端思想、危険思想として、つぶしにか
かる聖職者との戦いを描いている。

 最初から、この異端諮問官の苛烈を
極めるえげつない責め苦から始まる。
もちろんこの物語はフィクションなので
実際にそういうことが行われていたのか、
あるいはこれ以上のひどいことが行わ
れていたのかはわからない。

 当時宗教とは、おそらく政治、経済な
どをひっくるめて社会の秩序を作ってい
たことだろう。したがってその教えに従わ
ないものは異端であり、魔女であったの
だろう。「クソ坊主」が神のお告げといえ
ばそれが絶対のルールになる恐ろしさ。

 主人公達は星の動きを観察するうちに、
天が回転しているのではなく地球が回転
しているという確信を持つ。それを発表
するかどうかの時に、そのような社会を
混乱させるような発表を許さない諮問官
が徹底的につぶしにかかる。潰しとはつ
まり異端者として殺害することである。こ
の諮問官の追及をぎりぎりのところでか
わす息詰まる場面が多々あり、スリリン
グこの上ないのである。

 しかし、社会秩序を保つためという目的
でありながら、それはそれとして、諮問官
のサディスティックな快楽趣向も混在となっ
て異端者狩りに情熱を注いでいるから恐
ろしい。なんというモチベーションだ! 一度
にらまれたら、絶望しかない。
 ターミネーターのようにどこまでも追いか
けてくる。
 科学的真理と宗教の教えを分離できない
時代の悲劇といえるのか・・

 読者は、こんなバカな悲劇は15世紀だか
らと嗤うのだろう。今はこんなことはあり得
ないと安心してないだろうか?

 違うのだ、たった今でもこんなことは起き
ている、香港のリンゴ日報の末路、活動家
の周庭氏の拘束、ウイグル人の家宅捜索
でコーランが見つかれば、すぐに収容所送
り。

 本書に記される「C教」の「C」とは「China教」
の「C」であり「異端諮問官」を中国語に訳せ
ば「公安」、
 変わった表題の「チ」は「チャイナ」の「チ」な
のである。
 そしてついに習近平は全知全能の「神」か
「クソ坊主」のどちらかのレベルに達してい
るのだろう。

 あの国はいつか壊さなければならないの
かもしれない。

 しかし、しかし、あの国ばかりとは言ってら
れない。東京都でコロナ新規感染者が600
人で増えた―とテレビで大騒ぎ。増加傾向が、
このままでは・・とコメンテーターが嘆く、オリ
ンピックは無観客で・・

 まず、誤りを正そう。「600人」ではなく「たっ
た600人」あるいは「わずか600人」と言うべ
きだ。

東京の人口が1000人なら、そりゃ大変だろ
う。実際は1400万人の人口だ。
この中で600人を見つけることなど奇跡だ。

 ワクチン接種も進み、中国の細菌兵器の殺
傷力はもう失われているのだ。若い人は重症
化しない。もはや普通の風邪レベルである。
 しかも徹底したマスク手洗いによる防御、大
騒ぎ宴会をしない状態では感染のしようがない
のである。

 しかしながら、マスコミを使って国民を不安に
陥れ、国民の分断をはかる作戦は、今日も効
果的に日本人を痛めつけている。国民はマス
コミに対する免疫を持たなければならない。

 科学的根拠を理解せず、テレビで○○氏が
言ったからそれを信じる。これを思考停止とい
う。
 施政者にとって、思考停止の大衆ほど都合の
いいものはない。「あれ、なんか変だな?」と疑
いを持ったり、自分で考える事を始めた人間は
都合が悪いのだ。

 マスコミに脅かされオロオロする大衆をみて
政治家が場当たりの対応をくりかえす。その日
その場を取り繕えば、オレは仕事をしている
という政治家の了見。昨日は酒禁止。今日は
無観客。明日はワクチンパスポートで国民差
別。来年はなんだか分からないけどとりあえず
増税!

 一番の方法はまず テレビ、新聞は「クソ」
だと決めつけることから始めるといいだろう。
テレビのニュースとワイドショーは見ない。見る
のは天気予報と、音楽、スポーツ、お笑いだけ。
新聞は解約する。
 これだけでも、マスコミウイルス毒素から遠ざ
かることができるのだ。 

 参考資料